客席は綺麗な居抜き物件であったが、ラウンジ風に造られていて食事を主体とするお店には少し使いずらい部分も多かった。

それに加え、入口から奥側にキッチンがレイアウトされていて、ご希望のカウンター対面スタイルにするには調理器具を既存のキッチンスペースから出す事が必要となる。

もともとの天井高もあまり高くなく天井裏の懐も少ない、ダクトをキッチンの外に持って来る経路、梁が横断していて点検口から覗けず、

照明配線の経路も取り得るかどうかが検証できない状況であった。

施主様も天井高が気になってはいたが壊してから「あちゃ〜〜っ」となるよりはデザイン性という事を逆手に取り、必要な経路確保が出来るよう、

潔く天井をフラットに形成できるところまで下げて。というプランを作成した。

プランが確定し、図面を揃え、数社に打診して見積もりを頂いたが、、なかなか予算的に厳しいものがあり、デザインを落としたプランも作成し、

打ち合わせを重ねたが、初回提案のプランで行きたい。(施主様も私も、、)と、なり、またまた施主様参加型のお店創りが始まることとなりました。(笑)

ただ、抱えている案件があったので着工は１ヶ月ちょっと待って頂いた。

そしていつものように協力業者さん交えて現場でオーナー様と一緒に作業が始まりました。

居抜きなので予想と違うことや、初めての方となので作業進捗が予想とはちょっと違ったり待って頂いてしまっていたので、

前の案件が終わってすぐに乗り込んでという事で段取りが甘かったりで、少し、というか、けっこう完成まではかかってしまいました、、、。

でも、お店に来て頂いたお客様からのデザインの評判は「なかなか良いですよ。」の施主様のお言葉にホッと安堵するとともに嬉しい限りです。

高さをあえて下げ、カウンターと同じ出幅に形成し、キッチンまで続く天井が、カウンタースタイルとの一体感を与え、アイコニックな照明が映える良い空間になったと思う。