2016年にカジュアルな居酒屋としてデザインしたお店からのリニューアルプロジェクト。

元々のテナント形状が入口から細長く奥へ続く、いわゆる鰻の寝床路であった為、当時も平面プランをつくっていくのに苦労した。

そして今回はカウンターのみの「魚」を扱い和食によせたコース提供を主にした業態へ転換するという。そしてイメージは入口から奥まで続く１本のカウンターだという。

もともと、排水の位置から厨房を奥にしているので１本で続くカウンターをつくるのにはオペレーション・厨房器具設置・床の高さ関係から現実的ではないプランであった。

そこで困難なプランに近づけるのではなく１本で続いていないカウンターでも絵になるプランを探っていくことにした。

入口入ってすぐのカウンターと奥のカウンターとで違った印象にすることに。

厨房が奥にあるのでどうしてもオペレーションの比重は奥のカウンターに寄せられてしまう。そこで気さくな店長の人柄も含め奥のカウンターは明るめな印象を持たせ柔らかい光で演出し、

お店の奥側にありながら足を進ませるのに気兼ねしない空気感を作り出すようにした。逆に入口すぐのカウンターは奥行きを大きく取り、濃い色合いの木目をセレクトし、

目の前には金箔でロゴをあしらった特注和紙を貼り落ち着いた雰囲気を創り出し、シーンを選んでも使えるデザインとした。

大胆な曲線形状を描いたカウンターと奥の上品ながら大胆な木目柄は特注の突板を得意とする集団の作品である。